黒猫耳モデルの新製品開発は苦難の連続だった!PC周辺機器としてのmoni-jo(モニージョ)開発裏話

2025年8月21日(木)現在、このブログを書いております。
工場に製造発注を依頼して、本来であれば今頃は届いているはずなのに、製品がまだ届いておりません…。
何が起きているのか?ということと、今回の黒猫耳モデルはどうやって製品化できたのか?素材や部品はどうやって決めたのか?の開発裏話を書いてみたいと思います。

黒猫耳モデル開発秘話①取り付け部分がうまくいかない!

まず、「液晶モニターの上部に猫耳をつけてみたらどうだろう?」のアイデアをカタチにするところから始めたのですが、1番難易度が高いと思われたのが、「どうやって液晶モニターの上部に取り付ければいいのか?」という設置に関する問題でした。

液晶モニターの上部に取り付けるだけ、と一言では簡単に解決できない問題が液晶モニター(液晶ディスプレイ)にはあるんです。

機種によって背面のデザインや厚みが違う

液晶モニター製品によっては、ベゼルと呼ばれる縁の部分の太さが全然違う為、同じように考えていると製品によって取付可能な機種もあれば取付不可な機種も出てきたりします。
実際に、ベゼル部分が1mmや2mmという極薄デザインの機種も出てきていたりするので、このベゼルの厚みをしておかないと製品として成り立たなくなる場合もあります。

また、液晶パネル前面の奥行(厚み)が削られて、横から見るとほぼ板にしか見えない様な極薄モデルがあったりします。
そうなると、背面のデザインがまるっきり変わってくるので、こちらも同様に取り付け部分が可能だったり不可能になったりする機種が発生してしまいます。

廃熱で粘着部分が弱まる可能性が高い

アイデア初期の段階で、ベゼル上部に両面テープで貼り付ける案も実際にはありました。
しかし、液晶モニターという製品は長時間使用する傾向にある為、廃熱を施す必要がある製品でもあります。
その為、両面テープでは粘着部分が熱で溶けて粘着部分が弱くなってしまう為、使用中にいきなりポロッと猫耳部分が取れて落ちてしまう可能性があると思い、両面テープで貼り付ける案は早々に諦めました。

液晶モニターに関する知識を持っていなかったら、おそらく両面テープでの取り付け方法を採用していたと思います。
しかし、両面テープだと本当に熱で溶けるので、後から大きな問題になっていたかもしれません。
液晶モニターの知識があったからこそ大問題になる前に避ける事ができましたし、別の方法を模索することにしました。

黒猫耳モデル開発秘話②スタンドがどこに売ってない!

上記で述べたとおり、両面テープでの取り付けは問題がある為、別の方法を考えることにしました。
次に思いついた方法が、このスタンドを取り付けて上部に設置する方法です。

この方法は、既に世の中に出回っているウェブカメラのスタンドを用いる方法がベストだと考えました。
その理由が、主に以下の2つの理由です。

既製品なのでコスト削減につなげられる

1から部品を製造するとなると、開発費や金型などの多大な費用が発生しますし、何より製造ロット数が桁違いになるので、自社専用部品の製造はハードルが高く、実際に見積もりもいただいたのですが、「これは無理だな…」とあきらめるしかない費用でした…。

取り付け時に液晶モニター各製品のデザイン形状を問わない

ウェブカメラのスタンド部分は、後ろが蝶番(ちょうつがい)のような形状になっていて、0°~90°近く開く構造になっています。
その為、液晶パネル部分本体の厚みが変わっても、ほぼすべての製品に適応できる構造になっている為、取り付けができないという問題は発生しないのが利点です。

しかしウェブカメラスタンドは販売してくれない!

実際のウェブカメラスタンドメーカー(工場)は、特定のウェブカメラメーカーとしか取引をしておらず、小口取引をするような製品でもなく、そもそも新規開拓をする様な部品ではないので、新規取引のハードルは非常に高い製品と言える状態でした。

実際に、ウェブカメラスタンドの工場(会社)がどこにあるかも分からないし、調べ方すら分からない…。
仕方がないのでウェブカメラメーカーの製品を調べてみても、手がかりすら出てこない…。
そんな状態が続いていたので、今回の猫耳プロジェクトはほぼ諦めかけていました。

そこで別の方法を探ってみました。
この部分は企業秘密なのでお話できませんが、その方法を用いて販売してくれる企業様がついに見つかりました!
猫耳プロジェクトでの最難関の問題が解決したので、次の猫耳部分の素材を決める課題に取り組み始めました。

黒猫耳モデル開発秘話③猫耳部分の素材が決まらない!

次の問題は、「猫耳部分を何の素材で製造するか?」という問題です。
世の中にはいろんな素材があり、始めからベストな選択をしなければなりません。
この素材選びが思ったよりも大変でした…。

最初にプラスチック製を考えてみた

アイデア発案当初はプラスチック素材で考えておりました。
プラスチックだと色をつけるのも簡単で、大量製品も向いている、落としても基本的に割れない(割れにくい)、軽量で取り付けもしやすい、というメリットの方があったからです。
さらに、開発段階のプロトタイプも3Dプリンターで製造できるのもメリットがあると考えました。

しかし、プラスチックだと、安っぽくならない様に開発段階で気をつけなければならないし、さわった時に当たり前ですがカチカチで硬いので、本プロジェクトの猫耳という製品のやさしさやかわいさを製品から感じ取ってもらうには、ベストな選択肢ではないかな…と思い、一旦保留にして別の素材を探すことにしました。

次は塩ビ素材で考えてみた

次に考えたのが塩ビ素材です。
おもちゃでよく使われている素材ですね。
プニプニした素材でやわらかく、素材してはイメージ通りです。

しかも、葛飾区などの東京東部は昔から塩ビ素材を使ったおもちゃ製造のメッカともいえる場所ですので、まずは葛飾区近隣の工場を探ってみました。

しかし、思った以上に工場が見つかりません。
探し方が悪かったのかもしれませんが、本当に見つからない…。
見つかったとしても、見積書を確認して諦めるしかない価格…。

ただ、価格さえ見合えば塩ビ素材は十分アリな素材ですので、引き続き製造先を探すことにして1番候補に残して一旦保留としました。

とある展示会でシリコン製品に遭遇!

まったく関係のない展示会に訪れてまったく別の理由で会場を歩いていた際、本当にたまたまシリコン製品の製造会社のブース前に来ました。
そこで、いろんな製品が展示してあったのですが、
「このシリコンを製品を猫耳にしてみることはできるかな?」という考えからシリコン製品をさわっているうちに、「猫耳の素材はこれだ!」と確信しました。

プニプニとしたやわらかさを持っていて、肌触りもスベスベしていてやさしい印象も持てるし、猫のかわいさ親近感を表すにはベストな素材だと思いました。

出展ブースのご担当者様に製造~発注方法までヒアリングし、後日メールをいただくことになり、その後のやりとりを経て、シリコン素材に決定しました!

黒猫耳モデル開発秘話④3D図面の製造と金型製造指示書が作れない!

素材が決まったので、次は金型製造の依頼です。
金型を決めるということは、製品デザインを確定させるということです。

私自身、PhotoshopやIllustolator、Powerpointなどのデザイン系ソフトは大体使えるのですが、立体系デザインになると経験ゼロの為、途端に何もできなくなります…。

そこで、どうにかして立体でイメージを伝えられる様、左右上下の平面図を作成し、陰影もつけて工場側のご担当者様にイメージをつかんでもらえる様、がんばって作成してみました。

イメージの齟齬が1~2回あったものの、修正を重ねて私のイメージどおりの立体図面が完成し、金型製造のGOサインを出して製造に入ってもらいました。
その後、金型チェックの為のサンプル製造を開始してもらい、実物を弊社に送ってもらい、実物を見てさわっての確認です。

これがなんと1発OK!
「2~3回のやり直しが必要だろうな…」と当初は覚悟していたので、まさかの1発OKで時間短縮に繋がり、発売時期の目途が立ちました。

この段階でちょうど2025年6月20日前後だった様に記憶しております。

黒猫耳モデル開発秘話⑤品質基準書の作成が必要になった!

スタンド部分の発注もできる様になった!
猫耳部分の素材も金型も決まった!
あとは販売分を発注するだけ!
という状況まで整いました。

そして、製造費を前払いしてさっそく製造開始です。
製造に約1ヵ月かかると聞いておりましたので、その間にできることを先にやっておこうと公式HPを作成したり、なんやかんやと色々動いてました。

発注をかけて製造完了になる前あたりに工場側から連絡があり、「品質指示書を作ってもらえますか?」というご要望が届きました。

品質指示書!?
そうか!たしかに製造品だから必要だわな!おっしゃる通りで完全に頭から抜けておりました。
電気関係の製品製造指示書は作った経験があったものの、今回の様な電気を用いない製造指示書を作ったことがありません。
とはいえ、作らないと前にすすめないので、「こういう不良があったらイヤだな」という内容を思いつく限り記載し、提出しました。

あまり多すぎると製造コストが高くなるし、かといって少なすぎると不良品の発生率が上がる…という、製造バランスのセンスが問われるのが製造指示書なのですが、思った以上にうまく作成することができてホッとしております。
意外と何とかなるものですね(笑)

黒猫耳モデル開発秘話⑥初回発注で検品に問題発生!

そして製造物が輸入代行会社の倉庫に到着しました。

今回は初回発注ということもあって、簡易検品を行っていただきました。
すると、思った以上に品質に関する問題が浮き彫りになり、解決方法や不良物の回収と追加納品のやりとりで3週間近く浪費することになってしまいました…。

黒猫耳モデル開発秘話⑦追加発送分の影響で遅延発生!

冒頭で少しふれた8/21(木)現在でまだ販売分が届いていないのはこの影響が出ているからです。
本来ならいろいろとマーケティング活動をしたかったのですが、こればっかりは仕方がありません。

このブログを書いている8/21(木)の最中にも工場側とやりとりして初回発注分の数量が届くのかのやりとりもしているのですが、まだ確定していない状態です。

とはいえ、ある程度スケジュールの余裕を持ってすすめているので、どれだけ遅れてもクラウドファウンディング終了前や東京ゲームショウ開始前には到着する筈ですので、万が一遅れた場合をふまえてリスク分散しおいて本当によかったと思います…。

到着後、自社でも全品検品します!

おそらく、8月最終週か9月1週目には日本に到着している予定です。

今回、全品の簡易検品をしてもらってはいますが、やはり今後の為にも自分自身の目と手で確認しておかなければいけないと思い、全品念入りにチェックする予定です。

その為、クラウドファウンディング用と東京ゲームショウ用の出荷分は、ご販売後の不良率ゼロを目指しております。
責任を持って全数チェックしますので、ご安心ください!

検品合格品のみ販売用に使用します!

上記で述べた通り、販売分での不良率発生ゼロを目標にしております。

万が一、検品チェックで引っかかったものは、販促用に活用するか、将来的にある程度溜まってきたらアウトレット用にまわしてもいいかなと考えております。
最初のうちはそこまでの数はないと思いますので、まずは広報活動に使っていこうかなと思います。

2回目の発注の時期が読めない!

さて、次なる問題はここですよ…。

今回の発注で、初回とはいえ到着に約2か月かかることが分かりましたので、仮に9月中旬に発注したとしたら、次回の納期が11月中旬ということになります。

クラウドファウンディングが終了した後、皆様より集めたアンケート結果をふまえて修正できるところを改善した上でEC通販にすべて切り替える予定でおりますので、次の納品までにかなり時間を要してしまうではないと危惧しております。

あまり時間を空けすぎると、せっかくご購入の意思を持ってくださった皆様のお気持ちを削いでしまいますので、早急に納品できる様に動かなければなりません。
ここは時間との勝負になりそうです。

まとめ:今回の経験は次回の新製品開発に活かします!

以上、本プロジェクトの進行で苦労した点や辛かった部分をお話したいと思い、ブログにまとめました。

私自身、今回の様な電気を使わない製品の開発経験は初めてでしたので、非常によい経験と勉強になりました。
この経験を活かして、次の新製品第2弾に活かしていきたいと思います。

ちなみに、新製品アイデアは第2~4弾くらいまでアイデアはできておりますので、後は製品化できるか否かの段階にすすんでおります。
結果的には何もすすんでおらず、製品化できそうには今のところないのですが、やればできる!というのか今回で分かりましたので、あきらめることなく製品化に向けてがんばっていきたいと思います。

皆様にご支持いただける様に今後も努めますので、今後とも応援よろしくお願い申し上げます!

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